Art Story

cocoro &nico story

日本に古くから伝わる『月とうさぎ』のお話

    昔、むか~し あるところにウサギとキツネとサルの三匹が仲良く一緒に暮らしておりました。
    三匹は、動物の姿になったのは前世の行いが悪かったのだと、我が身を捨てて世のため
    人のためになることをしようと修行に励んでおりました。

    これを見ていた帝釈天(テイシャクテン)は、三匹の本心を確かめようと衰弱した老人の姿
    になって三匹の前に現れました。
    この老人が食事を求めると、サルは木に登って木の実や果物をキツネは川へ魚介類を
    採ってきてあげました。しかし、ウサギはこれといって特技もなく、何も採ってこれません。

    そこでウサギは、キツネとサルに焚き火の準備を頼み
    

    『僕には食べ物を探し出す特技はありません。だからせめて僕の体を焼いて食べてください』


    と言って、火の中に飛び込んで焼け死んでしまいました。

    これを見た帝釈天は、もとの姿に戻り、三匹の行動にとても感動し、特にウサギの心がけに
    感心します。
    そして、ウサギが火に飛び込んだ姿を、永遠に命あるすべての人たちに見せようと月面に
    そのウサギの姿を刻みこみました。

    人間なら誰しも、月を見上げるために、このウサギの行いを思い出してほしいと……。

    こうして、今でも月には、ウサギの姿が見えるそうです。
                    
                    (参考文献:「月の神話説話集」草下英明著 「今昔物語」角川文庫)

 

 

 

Prologue~プロローグ~

実はこのあとに、つづきのお話があるんです。

 

    つづきのお話が……。
 
    それは それから何世紀も後のお話……
 
    

    今もなお、空を見上げると、月には『うさぎの姿』を見ることができます。

    でも、そのお隣の星、

    かつては蒼く美しかった星では、

    その物語の意味を知ってか知らずか

    たくさんの悲しい出来事が様々なところで毎日ように起きています。



    紛争・暴力・自殺・自然破壊・ストレス・躁鬱

    食料とエネルギー問題 ……


    何かがおかしい

 

    

             明らかに何かが狂ってきているのです。

    かつては、蒼く透き通った星が

          今はダークグレイ色に濁ってしまった。

 

    泣いているひとがいる。

       悲しんでいるひとがたくさんいる。


    

    そんな姿を彼はずっとずっと何年も前から、隣の星から見守ってきた。 

    

 

    このままではいけない…

     彼は覚悟します。

              

              『あの星に帰ろう』


    

    みんなに『笑顔』を取り戻すために
    みんなに『こころ』を取り戻すために
    この星に『愛』を取り戻すために

    

    彼は戻ってきた。

                隣の星から、友達と一緒に…

   

    この星を『笑顔』いっぱいの星にしよう!



    彼らがゆくあとには色鮮やかな、たくさんの花が咲く。
    

                彼らが訪れたひとには、ニコッ!と笑顔の花が咲く。

    ダークグレイ色の濁った世界を
    色鮮やかな、透き通った世界に塗り替えてゆく

    この美しい星、地球を『笑顔』の花でいっぱいにするために
    

                月から帰ってきた。

 

 

    彼らの名は

 

    cocoro(ココロー)&nico(ニコ)

 

                ふたりの物語 

 

      今 始まります。